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件名:「台湾の声」台湾古道7【台湾紀行】六亀特別警備道付記‐竹子門発電所 【台湾紀行】六亀特別警備道付記‐竹子門発電所 西 豊穣 茂林国家風景区の周辺地域も週末の逍遥には見所が多く、その代表が六亀郷 の東隣の美濃鎮、客家[ハッカ]文化が色濃く香る田園地帯が広がります。こ の田園地帯、美濃鎮と隣の旗山郷の境に横たわる旗尾山(標高316メートル :高雄十名山の一つで頂上に「昭和十四年二月十一日建立」の銘を持つ「旗 尾山祠」あり)とそれに連なる山々が丁度屏風のような趣きになり山紫水明 の妙味があります。これらの田園を潤しているのは[艸/老]濃渓[ろうのう・ けい]から引き込まれた水であり、その灌漑システムは日本時代に建設され たものです。 どこかで「世界遺産」に値すると書いてあったのを読んだことがあるです が、日本人による台湾紹介を見ていてもなかなか登場しないので個人的には 不思議に思っているのが、工業古蹟「竹子門発電廠」(国家三級古蹟)、台 湾で最初に造られた発電所です。美濃から六亀に抜けていく県道184号線か ら少し路地を入った所にある今は台湾電力が管理している発電所、「古蹟」 でありながら実はいまだに現役、現在でも電気を供給し続けています。狭い 路地を入り暫くすると「明治四十二年十二月二十廿七日」(1909年)と彫ら れた石柱に出食わしまずびっくり、バロック調と説明されている建物の格調 の高さと古さに二度目のびっくり、構内のドイツ製と云われるタービン等の 発電設備も開設当初からのものがいまだに稼動していると知らされ、三度目 のびっくり。更に、構内には発電所建設中に殉職した日本人技師の三人三様 の殉職碑が当時のまま保存されています。 私が最初に訪ねた五年程前も外部からの参観者に対する構内の整備がきちん と成されているのには感心していましたが、最近は案内板の設置等で更に充 実しています。現在の発電量は美濃鎮で必要な電力量の十分の一程度だそう で、この百年間の美濃一帯の発展指数だとも言えます。当時美濃一帯の水不 足を解消する為に[艸/老]濃渓から引いてきた水で発電、その後放流される 水を人工の水路を通して美濃一帯約五千ヘクタールの田畑に配水、これらの 水は灌漑用水としてばかりでなく生活用水としても利用されてきました。 今でも美濃市街には「獅仔頭水[土川][サイアタウすいしん]」と呼ばれるこ の水路と共に幅1メートル、長さ50メートル程の水橋(川の上に水路を確保 したもの)が残され、こちらも現役のまま利用されています。水橋の袂には この水橋の設計・監督者である「技手 岡田安久次郎」の名が刻まれた「水 橋改築記念碑」が保存されていますが、大正十四年起工、昭和二年竣工の年 は稚拙にセメントが塗り込まれ中華民国年号に書き換えられています。 余談になりますが、竹子門発電所のバロック様式に関して。鹿児島県で一番 大きな河川である川内川上流に「東洋のナイアガラ」と呼ばれる曽木の滝が 掛かっていますが、先日鹿児島の私の友人にこの滝の近くに嘗て敷設されて いた曽木発電所遺構の写真を見せられ、この遺構と竹子門発電所の建物が そっくりなのに驚いたことがあります。曽木発電所は下流に鶴田ダムが出来 た為に水没し、ダムの水を放流する五月から七月の三ヶ月だけ姿を現すので すが、水位が下がった時に遺構に溜まった土砂を取り除き保存に努めている という珍しい遺蹟です。 この曽木発電所は竹子門発電所より僅か四年程早く完工(明治三十八年)し ています。片や日本ものはあえなく水没の目に遭いながら特異な遺蹟として その光明いまだに衰えず、他方台湾の同志はいまだに現役として活躍、興味 深い対照の妙です。 もし忙しい日本人の観光客の方に「時間が余りないのですが、高雄市・高雄 県地区で必見の価値ありと言えるような場所を紹介してくれませんか?」と 聞かれたら、私は迷うことなく高雄市街から車で約一時間半の距離にあるこ の発電所を紹介します。尚、日本時代の灌漑関連設備、遺構に関しての概要 は遠足文化出版の「台湾地理百科」シリーズ20「台湾的古[土川]道」で簡便 に知ることが出来ます。 さて、今回は古道の紹介に加え新しい試みとして周辺地区のことにも触れて みました。一般の行楽客を対象にした台湾国内観光ガイドブックは種々出版 されていますが、紹介されている観光地が多種多様に及び玉石混交といった ところで台湾を余り知らない日本人が見ても適当な場所をピックアップする のが大変。そのような中、これまでの観光ガイドとは趣の異なるガイドブッ クが最近出版されました;「此生必遊‐台湾100点」(全二冊、蘋果日報副 刊中心編集、2006年5月初版、商周出版、各260元)。書名の通り百ヶ所を選 定してあるのですが、台湾の定番観光地巡りにはもう飽きたという方には ぴったり。玉山、雪山への登山案内もあれば、以前[2005年12月23 日配信]紹介したことのある老七佳(パイワン族旧村落)[チカタン社のもと もとの場所]、老好茶(ルカイ族旧村落)[コツボアン社のもともとの場所] も紹介されています。(終わり) 西豊穣 台湾紀行古道シリーズ バックナンバー 2006/07/03【台湾紀行】六亀特別警備道(扇平古道) http://www.emaga.com/bn/?2006070005430276009918.3407 2006/03/06【台湾紀行】浸水営古道 http://www.emaga.com/bn/?2006030022994333010714.3407 2005/12/23【台湾紀行】崑崙拗古道 http://www.emaga.com/bn/?2005120083972080008877.3407 2005/04/26【台湾紀行】八通関古道 http://www.emaga.com/bn/?2005040084791224010815.3407 2005/02/25【台湾紀行】霞喀羅古道(石鹿古道) http://www.emaga.com/bn/?2005020083026676007324.3407 2005/01/06【台湾紀行】能高越嶺古道 http://www.emaga.com/bn/?2005010010046551008909.3407 『台湾の声』 http://www.emaga.com/info/3407.html バックナンバー http://taj.taiwan.ne.jp/koe/ 『日本之声』 http://groups.yahoo.com/group/nihonnokoe Big5漢文
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