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件名:「台湾の声」【論説】中韓北同盟と日米台同盟の二極化

【論説】中韓北同盟と日米台同盟の二極化


              時局心話會代表 山本善心


 

韓国政権左傾化への過程ー韓国の共産主義化が始まった


  韓国の月刊誌「月刊朝鮮」(2月号)が金正日総書記の亡命準備の仰天スク
ープを報じた。1997年、金総書記は偽造旅券を使って米国ビザを取得したとい
うものだ。

 しかしながらこれは自分の身に何か危険が生じた場合を想定した予行演習だ
ったのだろう。現在のところ、金総書記は亡命よりもブッシュ政権の出方と韓国政
権与党「ウリ党」の動向に全神経を集中している。 

 北朝鮮の金日成・金正日親子は過去60年間、対南革命工作を行ってきた
ものである。これは韓国を共産化し吸収統一する戦略であった。消息筋によると
北朝鮮から優秀な秘密党員の6000人以上が韓国に潜入したと見
られる。

 北朝鮮の共産主義者たちは韓国の若い世代・386世代(1960年代生まれ
で1980年代に学生時代を過ごした30歳代)を左翼意識化させ、左翼勢力を
量産させるのに成功を収めた。今や彼らは盧武鉉政権の檜舞台で水を得た魚
のように生き生きと踊り始めたのである。  

 1950年から80年まで、韓国の政治を主導してきたのは保守右派政党であ
った。朴正煕・全斗煥元大統領は「漢江の奇蹟」といわれた画期的な経済発展
を成し遂げた。国際的にも全斗煥はレーガン、中曽根と同格に扱われ、政治的
手腕を高く評価されるものだった。ところが、金泳三元大統領以降、韓国の保守
右派政党は左派政党に政治権力を奪われるようになった。  

  このような結果に陥ったのは、北朝鮮共産主義政権と韓国の左翼勢力が連
動し、永年の工作活動と努力が功を奏し、盧武鉉政権になって開華した。

  現在、左派勢力の与党「ウリ党」は150議席、「民主労働党」は10議席、
両党合わせて過半数の議席に達するまでになった。一方保守系(一部左派)の
ハンナラ党は120議席に滑り落ちた。金大中前大統領の民主党は120議席
からたったの9議席となった。


 韓国を共産国家にする4大シナリオ


  金正日政権の最終目標は、6.15共同宣言で示唆した「南北連邦制統一」
である。そのために、与党「ウリ党」が提出した次の4法案による韓国国会での可
決通過が待たれている。

 @国家保安法の廃止法案。暴力を使わない限り共産主義運動の自由が保
障される。A反日民族行為を真相究明する法案。これは過去の右派による弾
圧事件や親日行動を糾弾して右派勢力に打撃を加える。B私学法改正法案。
学校教育を全教組(韓国版・日教組)の支配下に置く。C言論法案。これは
「朝鮮日報」「東亜日報」の発行部数が減る中で、さらに政治権力を使い、思う
がままに新聞を動かそうとする法案である。

 今まで「朝鮮日報」「東亜日報」は盧武鉉政権に対する論調が批判的であっ
た。韓国保守の砦となる言論機関であるが、今年に入って急に左翼に同調する
記事が見られるようになった。 
 盧武鉉政権はこれら4法案を可決通過させれば韓国の共産化がさらに加速
する。 


 「金正日・金大中の卵」が韓国を支配


  韓国の政治結果について、金大中前大統領の存在なくして語ることはできな
い。彼は「太陽政策」を掲げ、北朝鮮への支援と南北同化政策を推進しようとし
てきた。

 「月刊朝鮮」の趙甲済編集長によると、@金大中氏は金日成と朝鮮総連か
ら資金を受け取っていた(黄長?氏の証言より)、A金大中氏は北朝鮮に5億
ドルの秘密資金を渡して南北首脳会談を行い、その後「ノーベル平和賞」を受
賞したのである。彼は劇的なドラマを演出し、世界に金正日のカリスマ性と南北
統一のロマンを植え付けた。韓国の若者は南北が一つになることに何の違和感
も覚えなくなっている。

 金大中前大統領の最大の功績は、この5年間の在任中、金正日総書記の
息のかかった北朝鮮の秘密党員を黙認し、韓国の学生運動出身者、左派進歩
派勢力などを政権中枢に取り込んだことである。彼らのことを「金正日・金大中の
卵」と表現することもあった。

  この「金正日・金大中の卵」は盧武鉉政権の中枢を引き継ぎ、今日では政権
与党の重鎮となった。彼らの最大の武器は左派革新系がメディアを乗っ取り、
「公共放送は反米・親北報道」一色に塗りつぶされてしまった。その結果、韓国
国民は「親北・反米国家」になったのである。


 右派の巻き返しが始まる


 これら親北・反米・容共など左翼化傾向に危機感を抱く保守派や右派による
反政府運動の反撃が目立つようになった。現在ソウル市庁前広場をはじめ、ソ
ウル都心などで時には10万人を越す集会やデモが行われた。 

 最近、保守系市民の間で、親北・左翼運動から転向した新右翼、脱北者、
若手弁護士、企業家、学者、若手知識人たちが中心になって、反盧政権の組
織化が進められている。さらに在郷軍人組織、保守キリスト教勢力などが支援し
ている。韓国社会の左右対立は激しさを増すようになった。


 中韓北同盟と日米台同盟の二極化


 本年1月18日、米国上院外交委員会で、ライス米国国務長官が北朝鮮を
名指しで"圧政国家"として位置づけた。今後は北朝鮮の人権法や民主化に向
けて圧力を加えようというものだ。米国の第一の戦略は、現在の金正日体制を
崩壊させることである。

 ライス発言は北朝鮮の核問題解決後、「北朝鮮政権の管理」と「体制変革」
を米国の手で行うことを意味するものである。米国は北を簡単に中国に手渡すこ
とはしないだろう。一方中国も総勢4万人前後の人民軍を北近郊に貼り付けて、
中国介入とその既成事実化を虎視眈々と狙っている。さらに日本の右傾化によ
って北朝鮮の経済制裁の実現が高くなりつつある。

 外から見れば、今後は北朝鮮による脅しの実効性は、各国の圧力によります
ます薄くなる可能性がある。北朝鮮の崩壊、金正日身辺にまつわる危険要因も
ある。2005年を境に、北朝鮮は今までの攻勢から守勢に転じる可能性も否定
できない。そうなれば一番困るのは韓国の政権与党である。今、韓国人が最も
親近感を持つ国は北朝鮮と中国なのである。

  韓国の安全保障と経済は米国に頼るところが大きかっただけに、米国を敵に
しても、韓国にとって何ら益することはない。
 韓国は、自由と民主主義、人権を尊重する西側陣営の一員として繁栄を続
けてきた。米国、日本、台湾、韓国は同じ価値観を共有するかけがえのない同
盟関係であった。今やその一角が崩れようとしているのだ。

 今後、米国は「日米同盟」を基軸に据え、日本を政治的軍事的経済的に東
アジアの中心的存在に位置づけたいと考えている。米国は嫌米指向の強い韓国
に飽き飽きしてきた。今後は「日米台」を基軸に、「中韓北」とどう立ち向かうかが
外交軍事の基本的戦略となろう。


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